2016/03/20 23:22


「春先の松の短い新芽は黄緑色。葉先はちゃんととがっていても、どこか幼く柔らかな風情です。

この春の松葉を指で折ると、鼻腔をすうっと風が吹き抜けていくような、すこやかな香気がします(前田京子著/石けんのレシピ絵本)」


敬愛するソーパーの前田京子さんの本によると

どうやら松の新芽には魅惑的な香りかあるらしいのです。

これは実際に触って香りを嗅いでみたい。さっそく松林に足を運びました。


じつはこの本を読むまで、松葉にも新芽があることを(植物だからあたりまえでしょうけど)知りませんでした。

常緑の松の木は夏も冬の間も緑の葉を茂らせ・・・冬は葉を茂らせながら少しずつ新陳代謝していることも知らなかったので

早春の落葉した松葉を新鮮な気持ちで踏みしめました。

松林はキツツキなど野鳥が飛び交い賑やかです。野鳥が落としたのか、足元にまだ折れたばかりの新鮮な松の枝をみつけ

観察すると、枝先に他の葉より短く黄緑色の新芽を発見。

葉先を指で折り香りを嗅ぐと、爽やかですうっとした香りがします。落ちた枝から柔らかな葉だけを集めてもちかえり

新鮮なうちに石鹸を仕込むことにしました。

松葉とジュニパーベリー(杜松の実)森からの贈りものです。

松葉はよく洗い細かく刻み刻んだジュニパーベリーとともに松葉茶を作ります(爽やかで結構いけるお味です)

同じように刻んだ葉と実をオイルにも入れ香りを移し

いつものようにくるくる。

コーンポタージュのような優しいイエローのたねに

さらに刻んだ松葉とベリーを加え、1か月の熟成期間のあいだに石けんのなかで香りが広がることを期待。

ここまでは美味しそうなスープのような色です。 が!!

熟成期間を終える頃には

かつおとこんぶ?

海産物のような風情です。

さらにカットし乾燥させて、できあがり。



この石けんのもっとも素晴らしいところはその香り。

まるで森のなかにいるような柔らかな木々の香りがリラグゼーション効果をもたらしてくれます。


最後までお読みいただきありがとうございました。