2016/06/17 01:29

何十年も前になりますが、輸入品を扱うお店でとても愛らしいパッケージに包まれた石鹸をみつけました。
ハニーサックルのイラストが描かれた包みを開けると
これまで嗅いだことのないような、甘くうっとりとする香りがひろがりました。
(当時のニールズヤード社の製品だったと記憶しています)

そのときはじめてハニーサックルという植物を知り
それが日本の私の住むところの海岸に自生していることを知り
ひとつの石鹸からはじまった憧れの花は、いつしか初夏を告げる大好きな花になっていました。


おいしそうな名前のハニーサックル
プーさんが抱えているはちみつの壺に入っているのはハニーサックルの蜜だそうで
花を採取している間もハチが蜜を求めてやってきました。


(黄色い花はオイルの中で香りを抽出)

ハニーサックルはひとつの房に白と黄色の花があり、白い花は受粉前、黄色い花はハチやチョウによって受粉した花です。
花色が金銀にみえることや、この花でつくるお酒は健康長寿の薬になることから金銀花という呼び名もあります。


(白い花はウォッカに浸し香りを移します。
時間とともに花が茶色に変わり香りも刻々と変化するため、2時間経過したら花を漉します)

生の花は下処理に手間がかかりますが、フレッシュな花をつかうことで
香りに柔らかさと奥行きが出ます。


いつものようにぐるぐるし
レモンとグレープフルーツのEO 甘い香りのヒヤシンスのFOで香りづけし

ホワイトクレイと秘密の黄色い粉
春先に摘んだ菜の花の花びらをパウダーにしたものを使い

黄色と白のゆるいマーブルを描きました。

切り分けて乾燥、熟成します。
金銀花のような雰囲気が出たでしょうか


解禁が近づくころには、野生の白いハニーサックルの花は散り落ち
庭のピンクのハニーサックルにモデルになって貰いました。

花のいのちは短いけれど、あのとき咲いた花の記憶をわずかにでも
石鹸に留めることができたら・・・・

そんなことを考えながら ぐるぐるしています。
ハニーサックルの石鹸
6月20日の発売を予定しています。