2017/07/04 00:21



今回も沢山の方のもとに旅立っていったへびいちご石鹸。

ご縁をいただいた皆様、本当にありがとうございます。
手際がわるく、またも完売後のご紹介となりましたが
石鹸が生まれる過程、ご覧いただけましたら幸いです。


「ヘビも食べないほど不味い」といわれるへびいちごですが
実はとっても優れもの。
地を這うように広がる茎と葉は、グランドカバーになりますし
4月になるとたくさんの黄色い花を咲かせ
5月に入る頃、真っ赤な実が地を彩ります。


今年もたくさんの実が収穫できたので、半分をかゆみ止めのチンキ(薬酒)に
半分をいちごのリキュールに浸し石鹸の材料に、赤い種は取りわけます。


〈へびいちごのチンキは虫刺されの特効薬〉

どのような成分が効いているのか解析はなされていませんが、
地域伝承民間薬調査というのがあって、そのレポートでは
ドクダミやびわの葉とともにヘビイチゴも民間療法として、抗炎症に用いられているということです。

また日本の民間療法(和漢薬)やアメリカ・インディアンの伝承では
植物はその形で効能を教えてくれているという考え方があります。

たとえば節くれだった茎をもつイノコヅチは関節炎の薬になり
脳の形をしたクルミは、脳に栄養を与える薬になるといったように
へびいちごのブツブツとした赤い実をみて、腫れものを連想したのでしょうか。

ヘビイチゴが虫刺されに効くことを発見した昔の人はすごいですよね。


前置きが長くなりましたが・・・
今回はへびいちごの実をいちごリキュールに浸し、温抽出で有効成分を移していきます。

このようにしてできた果実のシロップと種子を余すことなく石鹸に練りこんでいきます。


今回はオレイン酸とバルミトオレイン酸をたっぷり含んだ
オリーブとマカダミアナッツオイル主体のオイルレシピで

水分の全量にさきほどのシロップを・・・・
苛性ソーダを加えると、恐ろしいほどダークトーンに変化してしまいましたが


ぐるぐるしているうちにダークトーンからコーヒー色に変化していきました。
赤はどこへ・・・? 動揺を隠せませんが、ここまで来たらやるしかありません。
香りづけにホワイトローズのフレグランスオイル、ゼラニウムとレモンユーカリのエッセンシャルオイルを加え



種子を加えたのち、ローズクレイとホワイトクレイで模様を描きます。


コーヒーとクリームのような色合いに不安がよぎります。
もしもこのままの色だったら・・・・心なしか模様に迷いがみられます。


型から出して数日後、茶色が薄らいできました。


いつものように切り分けて乾燥します。
今回クレイを使用したため、しばらくの間粘土のような柔らかい状態が続き
固まるまで、いつも以上に時間をいただきましたが
1か月と10日の熟成期間を経て、ようやく完成しました。


本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。


《手づくり石鹸をより楽しんでいただくために》
☆できたての石鹸は溶けやすいです。
 お使いになったあとは浴室から出し乾かしてあげると、より長くお使いいただけます。
☆お使いにならない石鹸は、冷暗所で保管してください。
☆夏の間はタッパーやジップロック等に入れ冷蔵庫で保管していただくと、香りが長持ちします。